対談 【第4回】超高齢社会と介護・福祉~地域・行政・NPO・企業ができること~

高齢者にこそソーシャルメディアを

 日本社会は人口減少が予測されていますが、出生率が上がるとか転入が増えるとかで人口が増える自治体も出てくるでしょう。

服部 茅ヶ崎は毎年5~600人ずつ増えています。

坂口 高齢者にも若者にも茅ヶ崎が好まれている証拠だと思います。

 出生率はどれぐらいですか。

服部 県や全国の平均とほぼ同じで、約1.3ですね。

 子育てで、例えば地域でお爺さん、お婆さんが面倒を見るような流れはありますか。

服部 それは今後の課題と思っています。子どもへの関わり方も、やはり両親だけでは行き詰まる面があるので、上の世代が培ってきた昔からの知恵を、高齢の方に発揮していただきたいですね。子育ての悩みを相談できるのは地域の強みになりますから、そういうコーディネートが出来たらと思います。

 そして「老後はここに住みたい」と思わせるには、安心なまちづくりも重要ですが、茅ヶ崎ではどんな取り組みをしていますか。

服部 東日本大震災の時、高齢者の単身世帯など、災害時に支援が必要な方への安否確認は、民生委員や児童委員が一生懸命にやっても丸一日かかりました。
そこで茅ヶ崎では今、もっと地域で見守る仕組みを作らなければいけないということで、支援が必要な方への安否確認だけでなく、地域のみんなが日常的に気軽に話ができるような関係を作ろうと動き始めています。隣近所や町内会といった単位の中で、もっとコミュニケーションを高めようということにチャレンジしています。

井手 市でいつも防災などのアナウンスをしていますよね。しかも、それをフェイスブックに流す人がいる。「80何歳の方が行方不明になりました」とか流れてくるんですが、しばらくすると「見つかりました」と。そういうソーシャルな取り組みが市民レベルでも機能しています。

 ソーシャルメディアもそういう使い方があるんですね。

瓜坂 LINE(ライン)とか、あれこそ高齢者のツールと思いますけどね。町内、両隣と向かい4~5軒がライン友だちになれば、直接行くのはおっくうだけど「ちょっと調子悪い」とか流すだけでもコミュニケーションがとれたりする。電話よりもずっと便利です。

服部 高齢の人でも、地道に教えると、だんだん使えるようになってくる。それで便利なものだとわかると、ものすごく活用するようになりますね。

坂口 例えばお孫さんと話せるようになるとか。「これは楽しい」となって、友だちに「こうやってできるよ」と見せると周りに広がりますね。

服部 タブレット端末はパソコンより簡単ですし。

瓜坂 特にサラリーマン経験がある人は慣れやすいでしょう。

坂口 団塊以降は完全にそういう世代ですよね。

服部 ソーシャルメディアを通じて、高齢化社会の解決が図られる面はあると思います。

 最後になりますがNPO、行政の立場から、企業として大和ハウスさんへのご期待、ご要望はありますか。

井手 折角こうした立派な施設がありますので、入居された方と一緒に楽しめるような地域密着型イベント、しかも大和ハウスさんのCSRブランディングにもつながるような企画を湘南スタイルとしてやってみたいですね。そして市にもサポートしていただくような事例ができるといいと思いました。

服部 大和ハウスさんは全国各地でいろんなまちづくりをされていると思います。そこで、地域の皆さんがより豊かに暮らせる環境を作るために、その経験値の中から力をお貸しいただければと思います。今後、行政では手が届きにくい課題の解決に向けて「皆さんの力を貸してください」とお願いする際、企業として是非お力添え賜われればと思います。

 今のお二人を受けていかがでしょうか。

瓜坂 非常に光栄です。大和ハウスは建築業ですが、地域の方どうしの「つなぎ役」として地域に根付くことが最終的に社会貢献になり、大和ハウス自身の仕事にもつながっていくと思います。今、社会に求められているものが家よりも「生きがい」「やりがい」であれば、そこに我々としても何か出来ればと思います。

坂口 さきほど井手さんから「一緒に地域密着型イベントを」とご提案がありましたが、実は今度、ここで地域の皆さんも迎えて「ロボット体験会」をやるんですよ。これは歩行を援助するロボットや、アザラシ型の癒しロボットなどを展示実演するのですが、地域の方にも「体験してみませんか」とミニコミ誌で宣伝しています。少しずつですが、今後も各方面と協力しながらいろいろやっていきたいと思います。

 今日は皆さん、本当にありがとうございました。

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