CSRの取り組みにおける取引先への働きかけ

考え方・方針

大和ハウスグループは、持続可能な事業を追求するため、「ESG(環境・社会・ガバナンス)」側面を重視した経営に努めています。これを実現するためには、自社グループだけでなく、取引先を含めたサプライチェーン全体で取り組む必要があります。そして、取引先と共にCSR(企業の社会的責任)を真摯に果たすことで、社会からの期待に応える一方、社会への悪影響を最小限に抑え、将来にわたって双方が社会から支持され続ける「共存共栄」の関係を構築していきたいと考えています。

当社グループは、「企業倫理綱領・行動規範」を通じて、当社グループ従業員が取引先との適切な共存共栄の関係構築を図るとともに、2006年に制定した「取引先行動規範」によって、取引先に対して人権の尊重や法令遵守などを求める包括的な方針を示しています。さらに2015年には、それまで運用していた複数の基準を再整理し、新たに「CSR調達ガイドライン」を制定しました。

CSR調達ガイドライン

このガイドラインでは、「取引先行動規範」にて社会性、環境性についての7つの原則を定めています。また、「企業活動ガイドライン」で、行動規範をふまえて社会性、環境性についての20の具体的事項を明示しています。

「取引先行動規範」の「コンプライアンスの確立」においては、法令の遵守のもとで高い倫理感を持って行動することを明記し、取引における腐敗の防止、汚職の防止などに取り組んでいます。また、「労働安全・衛生への配慮」では、健康と安全に留意することを明記することで、労働災害の防止をはじめ、衛生管理の徹底、自然災害など不測の事態への対応を図っています。そして、「人権の尊重」においては、強制労働や児童労働、ハラスメントの禁止を明示しているほか、差別などの人権侵害を行わないように定めています。

このほか「物品ガイドライン」では、当社のサプライチェーンにおいてリスクが高く、かつ物品としてサプライチェーンの上流まで監査が可能な「建材等の化学物質」「木材等の生物多様性」などの管理方針を示しています。

関連リンク

CSR調達ガイドライン

(1)取引先行動規範(Code of Conduct)
社会性・環境性についての7つの原則
1)お客様との信頼関係の構築
2)コンプライアンスの確立
3)労働安全・衛生への配慮
4)公正な事業活動
5)環境の保全
6)地域との共創共生
7)人権の尊重
(2)企業活動ガイドライン
社会性・環境性についての20の具体的事項
(3)物品ガイドライン
取引先が調達し当社に納品する物品(建材等)の環境性・社会性についての基準。下記二つのガイドラインより構成
1)化学物質管理ガイドライン【基本編】
2)生物多様性ガイドライン【木材調達編】

マネジメント

当社では、「共創共生」の観点から資材調達先などでつくるサプライチェーン上の3つの会員組織の運営をサポートしています。各会員組織を通じて取引先からご要望や当社側の問題点を伺うとともに、業務を遂行するに際して遵守していただきたい事項を随時伝えるなど、密接なコミュニケーションによって当社と取引先双方のCSRの推進を図っています。

また、取引先におけるリスク情報については、「取引先アンケート調査」および、取引先からの通報制度である「パートナーズ・ホットライン」を通じて、当社グループ従業員の倫理・コンプライアンス上の問題と併せて、1次下請会社と2次下請会社間での問題などについても調査・把握・改善に努めています。こうした仕組みを活用し、取引先による贈収賄を含む汚職・腐敗や人権侵害防止にも取り組んでいます。

CSR調達の推進にあたっては、2010年より購買、施工など関連部門の担当者からなるCSR 調達部会を立ち上げています。これにより、各事業所の発注担当者と連携する体制を構築しています。

CSR調達ガイドラインの運用

「CSR 調達ガイドライン」の運用については、新たに取引先との契約を締結する際、趣旨や概要を説明したうえで、同意書を提出していただいています。

この中で、「物品ガイドライン」のうち「化学物質管理ガイドライン」の運用については、当社が戸建・低層賃貸住宅で採用する購買品を、取引先に対して化学物質の含有について調査・報告を要請しています。また、それ以外のすべての購買品に対しても、説明会や設計図書などを通じてガイドラインに則った調達を要請しています。

また、「物品ガイドライン」のうち「生物多様性ガイドライン(木材調達編)」の運用については、2011年度より毎年取引先への調査を行い、結果を公表しています。前年度に調達した木材の合法性・持続可能性についての調査を要請するとともに、調査結果をもとに取引先へ改善活動を要請しています。

なお、2017年度より、CSR 調達ガイドライン全般の項目についても、取引先のセルフチェックを通じたモニタリングを開始しています。

■取引先に向けたCSRについての方針・マネジメントの歩み

実施時期 項目 内容
2006年2月 マネジメント 取引先アンケート調査 開始(年1回)
2006年10月 方針 取引先会社行動規範 発効
(取引先より賛同書提出)
2009年7月 マネジメント パートナーズホットライン 運用開始
2010年10月 方針
マネジメント
化学物質管理ガイドライン 発効
集中購買品 化学物質調査 開始(契約時)
2010年10月 方針 生物多様性ガイドライン 発効
(取引先より同意書提出)
2011年1月 マネジメント 木材調達調査 開始(年1回)
2015年7月 方針 CSR調達ガイドライン 発効(大和ハウス工業のみ)
(取引先より同意書提出)
2016年4月 方針 CSR調達ガイドライン 当社グループまで運用拡大
2017年4月 マネジメント CSR調達ガイドラインに基づくセルフチェック

サプライチェーン上の会員組織について(生産数は2017年6月末現在)

当社では、下記会員組織の運営についてサポートを行っています。

協力会連合会(4,653社)

製品の品質に深く関わる「生産」「施工」にご協力いただく会社で構成されている協力会連合会は、全国に83ヵ所の支部を持ち、安全面の向上、品質、技術や作業効率の向上、環境問題に取り組む活動を実施しています。また情報サイト「WEB 連」を通じて情報共有を図り、相互信頼を深めています。

トリリオン会(239社)

資材調達先(サプライヤー)で構成されるトリリオン会は、取引先との相互の経済的地位向上を目的に、資材品質の向上、納期厳守及び新建材開発、技術改良推進を目指しています。
二つの推進活動を中心に、地域性を活かし互いの情報共有を行い、相互の発展と親睦を図っています。

設和会(146社)

当社とお取引いただいている設備メーカーや販売会社などで構成される設和会は、全員参加で、展示会やさまざまな活動を通して、設備技術の情報交換、連携を深めています。会員は関西・関東・中部・九州の4支部で構成されています。

QCDMSEをふまえた取引先へのマネジメント

当社では、CSR 調達ガイドラインをベースとして、QCDMSE(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期・工程、Moral:モラル、Safety:安全、Ecology:環境)をふまえた、取引先の新規選定、管理を行っています。

サプライヤーの新規選定については、購買業務規程に基づき、まず品質・環境・納期・コスト・経営の側面での書類審査を実施します。合格した場合には必要に応じて品質監査を行い、品質管理の方針や体制に加え、サプライヤー工場内の安全衛生や周辺住民への配慮、環境への対応、苦情対応、作業員への教育体制などを評価し、一定の基準を合格した場合のみ取引を開始しています。また取引開始後は同様の方法でフォローアップ評価をしています。

施工協力会社の新規選定については、施工店管理規程に基づき、QCDMSE の側面での基準について申請書類や面談を通じて審査します。これらの審査では、法令遵守、安全衛生の確保、反社会的勢力等の排除や、各種関連法の許可内容および社会保険の加入状況等を確認しています。審査に合格した場合には工事下請負基本契約を締結するとともに、施工協力会社から取引名義届出書を受領します。なお、契約を締結し、届出書を受領した新規協力施工会社は、全て規程に基づいた基準に適合しています。また、施工現場においても、当社と施工協力会社のQCDMSE の側面での役割を明確化し管理を行っています。


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