社会トップメッセージ

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時代の変化に機敏に対応しつつ普遍的な価値を追求し、やりがいを生む職場づくりへの取り組みを深化させています。

上席執行役員 経営管理本部人事部長 人財・組織開発担当 サステナビリティ担当 能村 盛隆

SDGsへの貢献 3:すべての人に健康と福祉を 4:質の高い教育をみんなに 5:ジェンダー平等を実現しよう 8:働きがいも経済成長も 9:産業と技術革新の基盤をつくろう 10:人や国の不平等をなくそう 11:住み続けられるまちづくりを 12:つくる責任つかう責任 13:気候変動に具体的な対策を 15:陸の豊かさも守ろう 16:平和と公正をすべての人に 17:パートナーシップで目標を達成しよう

コロナ禍によって変わったもの、変わらなかったもの

今般のコロナ禍は、社会に大きな変化をもたらしました。感染拡大防止の観点から対面での人のつながりが断たれ、代替措置としてオンライン会議ツールが普及したこともその一例です。当社グループでも、お客さまとの主な接点がリアルからバーチャルへと変わり、採用試験ではタブレット端末などを用いたリモート面接を初めて実施しました。このように、コロナ禍は社会に大きなパラダイムシフトを起こしました。

一方で、事業の多様化が進む当社グループにおいては、コロナ禍で不調だった事業を他でカバーできたこともあり、業績への影響は比較的軽微でした。また、当社グループの思想の根底には「世の中の役に立つ」といった創業者精神があり、コミュニケーション手法が変化しても、本質的な部分は揺るがなかったと考えています。このように、変化に対して芯がぶれないことは、当社グループの強みです。「不易流行」という言葉がありますが、変化の激しい今だからこそ、変えてはならない本質的な理念は継承しつつ、新しい変化を積極的に取り入れていくことが必要であると認識しています。

コロナ禍を機に、働き方改革が進展

こうした新しい変化への対応のひとつとして挙げられるのが、働き方改革です。当社グループでは、東京オリンピック開催期間の混雑緩和に貢献するため、東京23区内の事業所を中心に、テレワークの実施に向けた準備を早くから進めていました。これが奏功し、新型コロナウイルス感染拡大の第1波が起きた2020年4月には、国内の全事業所を閉鎖して速やかにテレワークに移行することができました。さらに、この取り組みを一時的なコロナ対策ではなく、持続的成長に向けた恒常的な働き方改革へと昇華させるべく、同年9月にテレワーク推進プロジェクトを立ち上げました。

プロジェクトでは、単に働く場所を変えるだけではなく、「フレキシブルな勤務体系」、「自律的かつ効率的な働き方」、「創造的な社内コラボレーション」、「適所適材の人財配置」など社内変革を促すことで、生産性の向上を含めた「成果の最大化」を目指しています。有事は100%、平時は50%と、状況に応じた実施割合の目標値を定め、オフィスのフリーアドレス制の導入など、ハード面も含めた取り組みを展開中です。今後、2023年度末まで約3年半をかけて推進、定着を図っていきます。

その際に懸念されるのが、心理的安全性が担保された組織でないと、上司と部下のコミュニケーションが損なわれたり、従業員の仕事ぶりが見えないことで評価が不当に下がったりして、逆に生産性やモチベーションの低下を招いてしまうことです。そこで、そのような事態に陥らないよう、上司と部下の対話を促す1on1ミーティングの導入や、評価制度の見直しを進めています。1on1ミーティングについては、一部の事業所で試験的に運用したところ現場からの反応もよく、2021年度下期の本格導入を予定しています。

また、テレワークと親和性の高いフレックスタイム制度も2021年4月からスタートしました。コアタイムを定めず、各々の従業員が1日の労働時間を自由に設定できるようにすることで、柔軟な働き方ができる制度となっています。あわせて勤怠管理の仕組みも変更しましたが、特に大きな混乱もなくスタートすることができました。今後は従業員の声を聴きながら、四半期ごとに制度をブラッシュアップしていく予定です。従業員一人ひとりが効率的で生産性の高い働き方を自ら考え、自立・自律した働き方を主体的に実現してもらいたいと考えています。

「働きがい」に関する実感度

次世代へ会社を引き継ぐための体制整備と人財育成

一方で、コロナ禍とは関係なく、以前から当社グループの中長期的な課題として認識してきたのが「経営人財の育成」です。企業規模が拡大し、創業者・石橋信夫のようなカリスマ経営者が一人で企業を率いるのはそぐわない時代となった今、次世代へ会社をどう引き渡すかは当社グループにとって重要な課題です。そのような課題意識を抱えていたなかでこれからの持続的成長のために、ガバナンス強化の観点からも、また、業務執行においても、組織を複線化する必要が出てきました。

このような背景のもと、2021年度から本格導入に踏み切ったのが事業本部制です。従来の組織体制では、各事業部長の責任の所在が曖昧になりがちでした。一方、新しい事業本部制では各事業本部長はヒト・モノ・カネ・情報を含めたすべての経営資源について責任を負い、事業を遂行します。このように、各事業本部に責任と権限を委譲することで、各事業本部長の経営センス向上につなげ、カリスマ的な経営者が存在しなくとも成り立つ組織へと変革を図っています。

また、次世代経営者を育成するためのサクセッションプラン(後継者育成計画)の整備にも本格的に着手しました。手始めとして2020年より支社長・支店長職のサクセッションプラン「D-Succeed(ディー サクシード)」をスタートさせ、2021年4月には支社長・支店長6名と関連会社の社長1名を輩出することができました。前身の支店長公募育成研修が必ずしも支店長就任に結びついていなかったのと違いは明らかで、対象となる世代の意欲も高まっています。この成果をふまえ、2021年度は取締役・執行役員・本社部門の部門長職のサクセッションプランを新たに整備します。また、経営後継者育成研修として2008年から実施してきた「大和ハウス塾」もサクセッションプランと絡めて一新し、2022年度以降に「新大和ハウス塾」として再スタートさせる予定です。

課題の発見・解決につながる多様な人財の「共創」

経営層だけではなく、従業員の人財育成にも注力しています。今後の成長に向けて当社グループが必要としているのは、一言で言えば「多様な人財」です。ただ、単に多様な人財が集まればよいとは考えていません。求めているのは、課題発見能力に優れ、会社や自分の将来像を思い描くことのできる人財です。

創業者の石橋信夫はその最たる存在で、潜在的な社会課題を独自の視点で見抜き、「社会の役に立つ」数々のアイデアを実現してきました。社会課題や人々のニーズが多様化・複雑化する現在、従来のように与えられた課題を解決する能力に長けた均質的な人財だけでは、企業は生き残っていくことができません。課題を発見するには、「何を課題と感じるか」が重要であり、さまざまな視点から物事を見る必要があります。そのため、多様な価値観を持つ人財を確保し、採用後の人財育成も従来のような画一的な手法ではなく、一人ひとりの個性を活かせるようなものに変えていこうとしています。

その取り組みのひとつとして、新研修施設「みらい価値共創センター」が、今秋、奈良にオープンします。SDGsにも通じる部分がありますが、「共創共生」を基本姿勢とする企業グループとして、国内外の従業員はもちろん、地域の方々など多様なステークホルダーの皆さまにも分け隔てなく開かれた施設とする考えです。さまざまな価値観と触れる機会を提供することで、新しい事業を創出するようなこともできるかもしれません。実際、研修メニューの検討にあたり、「この施設を使ってやってみたいこと」を従業員に募集したところ、約330件のアイデアが集まりました。社内でこれだけの反応があったことで、想定以上にユニークなことが実現できるのではと期待しています。単なる研修施設ではなく、ステークホルダーの皆さまとの「共創」のなかで相互に学びを得る場としての活用を目指します。

誰もが価値ある「生き方」を実現できる職場へ

創業者・石橋信夫は「事業を通じて人を育てること」を社是の第一に掲げました。企業の持続的成長を支えるのは従業員一人ひとりの活躍と成長であり、従業員がやりがいや喜びを感じられる職場にするための働き方改革は、当社グループにとって終わりのない重要課題であるといえます。

一般に、仕事のやりがいの有無は、仕事によって満足感や手応えが得られるかどうかで決まります。従業員に満足感や手応えを感じてもらうためには、一人ひとりを正当に評価して、その評価に見合う処遇を提供しなければなりません。さらに、従業員が会社や自分自身の明るい未来を見通せることも大切です。このうち、正当な評価と処遇、キャリアアップの仕組みなどを整えるのは会社の役割です。また事業を通じて社会に貢献するなど、従業員のやりがいにつながる事業を推進するのは経営陣の役割です。

そのうえで、当社は従業員に対して、会社や自分の将来像を思い描き、自分自身で働きがいを高めていくことを求めていきます。会社の諸制度を利用して楽をするのではなく、自らやる気に火をつけて最も力を発揮できる働き方を選び取り、求める将来像に向かって突き進んでほしいと思います。「時間は命」であり、「働き方とは生き方」です。働き方改革は、決して「働かせ方改革」であってはなりません。あくまで従業員が主体となって、一人ひとりが仕事を通して価値ある「生き方」を実現できる職場づくりを追求することで、従業員の成果の最大化と会社の持続的成長を同時に目指してまいります。


2020年度「女性が輝く先進企業表彰」において
「内閣府特命担当大臣(男女共同参画)表彰」を受賞


「work with Pride(wwP)」が策定した
評価指標「PRIDE指標2020」において
シルバーを受賞


障がい者の活躍推進に取り組む
国際イニシアティブ「Valuable 500」に加盟


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