COLUMN コラム サステナブルな暮らし SUSTAINABLE COFFEE 2015

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はじめてみよう!サステナブルコーヒーのすすめ

選ぶことでできる環境保全や社会貢献

2016.09.28

コーヒーを楽しむ時間は、リラックスできるひととき。毎日のことだからこそ、コーヒーの選び方にもサステナブルな視点を、取り入れてみませんか?

世界中で愛されるコーヒー。全世界での1日当たりの消費量は、約20億杯と言われています。私たちがコーヒーを楽しむ裏側で、環境破壊や生物多様性の喪失、農家の困窮といった問題が起きていることをご存じでしょうか?

日本は世界4位のコーヒー消費大国

近年、コンビニエンス・ストアで販売される淹れたてコーヒーの人気が上昇。家庭や職場でも、ボタンひとつで本格的なコーヒーを淹れることができる電化製品が普及し、コーヒーへの関心は高まっています。アメリカ農務省の発表によると、日本はアメリカ、ブラジル、ドイツに次いで世界4位のコーヒー消費大国。コーヒーが日常に溶け込んでいるのも納得できます。

世界全体のコーヒー消費量が年々増えている一方で、供給量は減少傾向にあります。これは、新興国の経済発展により消費量が増加しているのに対し、栽培に適した土地が世界中で不足していることが原因としてあげられます。2014年度は、世界最大の生産国であるブラジルでの記録的な干ばつの影響で供給量が減ったため、コーヒーの価格が高騰しました。

コーヒー農家の多くは十分な利益を得られていない

コーヒー産業は世界での市場規模が大きく、社会における影響力も非常に大きいのですが、今、コーヒー生産の現場ではいくつかの問題が起こっています。

まず、コーヒー生産者の多くは熱帯地域に暮らす小規模農家。支払われる対価は低く、十分な利益が得られないこともあり、貧困状態で暮らしている人も少なくありません。また、栽培場所となる熱帯林は年々減少しています。低木のコーヒーは、本来、高い樹木の下で育てる木陰栽培。しかし、木陰栽培では単位面積当たりの収穫量が少なく、機械が使用できずに手間がかかるため、森林を伐採してコーヒーだけの畑に仕立ててしまうのです。単一栽培では害虫や病気の菌の影響を受けやすく、化学薬品を多く使うため、土壌や水質が汚染されます。するとまた、新たな土地で森林伐採が行われてしまうのです。コーヒーの生産地域のほとんどは、生態系が多様な熱帯林、地球上に生存する生物の50~80%が存在するといわれる熱帯林の喪失は、生態系の破壊にもつながっています。

木陰栽培では機械が使用できないため、手摘みでの収穫が行われます。

写真提供:© 住商フーズ株式会社

コーヒーの実は、熟すと赤いサクランボのようになるため「コーヒーチェリー」と呼ばれます。

写真提供:© Charlie Watson

コーヒー選びにもサステナブルな視点を

この現状を変えていくために、私たちにできることがあります。そのひとつが、サステナビリティに配慮したコーヒーを選ぶこと。サステナブルなコーヒーは、どのような問題に配慮しているかによって大きく3つに区分されています。森林で覆われた木陰で生産される「シェードツリーコーヒー」は、森林伐採を防ぐことで、豊かな自然環境を守ることができます。また、農林水産省が定める禁止された農薬や化学肥料を使わない農法で生産される「オーガニックコーヒー」は、土壌や水質汚染を防ぐことができます。さらに、発展途上国の小規模農家や農園労働者に対し、適正な価格で継続取引される「フェアトレードコーヒー」は、生産者の安定した生活につながっています。

サステナブルなコーヒーって何?

サステナブルコーヒーとは、自然環境や生産者の生活をいい状態に保つことを目指して生産・流通する、持続可能性に配慮したコーヒーのこと。

美味しいコーヒーを継続的に楽しむには…… 自然資源 生産者 消費者 自然資源の管理 品質の良い豆 品質の良いコーヒー 適正な価格

サステナブルなコーヒーの例

シェードツリーコーヒー
森林で覆われた木陰で生産されるもの。森林伐採を防ぎ、豊かな自然環境を守ることができる。
オーガニックコーヒー
農林水産省が定める禁止された農薬や化学肥料を使わない農法で生産されるもの。土壌や水質汚染を防ぐことができる。
フェアトレードコーヒー
発展途上国の小規模農家や農園労働者に対し、適正な価格で継続取引されるもの。生産者の安定した生活につながる。

私たちの"選択"が社会を変える!

農家の生活向上に

世界60 カ国以上で生産されているコーヒー。そのほとんどは発展途上国といわれる国々で、農家は非常に弱い立場にあり、十分な利益を得られず困窮しています。公正な価格での取引は、生産者の安定した生活はもちろん、良質なコーヒーづくりにつながります。

自然環境の保護に

効率的なコーヒーの単一栽培を行うために、熱帯林が切り開かれています。熱帯林は巨大な二酸化炭素の貯蔵庫であると同時に、重要な酸素供給源。木陰栽培を行い、森林の減少を防ぐことは、地球温暖化の防止にも重要な意味を持ちます。

生物多様性の保全に

地球上に生存する生物の50~80%が存在するといわれる熱帯林。その喪失によって生態系の破壊が進んでいます。孤立した森林を木陰栽培のコーヒー農園でつなぐことで、動植物の生息環境を拡げながら生態系を守ることができます。

注目!サステナブルコーヒーの代表的な認証マーク

ひと目でわかる!代表的な認証マーク

RAINFOREST ALLIANCE CERTIFIED

レインフォレスト・アライアンス認証

熱帯林の環境・生態系を保全するとともに、労働者に適切な労働条件を与えている農園を認証するもの。環境保護はもちろん、社会的公正、経済的競争力のすべてに働きかけている。
取り扱い店一例: ローソン(MACHI café)

UTZ Certified

UTZ Certified

生産者や環境に配慮しながら、信頼できる方法で生産・加工が行われていることを認証するもの。栽培・収穫方法はもちろん、安全で健全な労働条件や児童労働の禁止など、社会・環境の両面に配慮されている。
取り扱い店一例: IKEA

BIRD FRIENDLY

バードフレンドリー®

熱帯の森林を守りながら木陰栽培かつ有機栽培しているコーヒー農園を認証するもの。生産者を支えるとともに、森林で休む渡り鳥を守ることを目的とし、収益の一部は世界中の渡り鳥保護のために還元される。
取り扱い店一例: カルディコーヒーファーム、小川珈琲

FAIRTRADE

国際フェアトレード認証

生産者への適正な価格と長期的な取引や、安全な労働環境、生産地の環境保全を認証するとともに、商品代とは別に渡される奨励金により学校や病院建設などの地域の社会発展に取り組むもの。
取り扱い店一例: カルディコーヒーファーム、小川珈琲、イオン*、マックスバリュ*

JAS認定機関名

有機JAS規格

農林水産省が定めた規格に適合して生産が行われた有機農産物であることを認証するもの。堆肥等による土づくりを行い、種まき・植え付け前2年以上(多年生作物の場合は収穫前3年以上)および栽培中に、禁止された化学的肥料および農薬が使用されていない。
※日本で販売する農産物や農産物加工食品に、「有機」「オーガニック」と表示するには、有機JAS マークが必要です。
取り扱い店一例: 小川珈琲、イオン*、ダイエー*、マックスバリュ*、ピーコックストア*

*一部、取り扱いのない店舗があります。

環境と動植物に配慮したバードフレンドリー®認証コーヒー
大和リゾートと京都の珈琲職人「小川珈琲」で共同開発

大和ハウスグループの大和リゾートでは、環境と動植物に配慮したバードフレンドリー®認証のコーヒーを、京都の珈琲職人「小川珈琲」と共同開発しました。森林の木陰で栽培され、ゆっくりと熟成されたバードフレンドリー®認証のコーヒー豆を使用し、濃厚な甘さとやわらかな苦み、芳潤な香りを実現しました。
売り上げの一部が渡り鳥保護活動の運営資金として活用されるほか、大和ハウスグループが進める「Daiwa Sakura Aid(桜の保全活動)」の活動運営資金としても活用されます。
なお、このコーヒーは全国にあるダイワロイヤルホテルズで販売しています。

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大和ハウスグループが、CSR活動の一環として、奈良県吉野山の桜を保全する活動をはじめ、全国の小学校での桜の植樹、チャリティコンサートを実施する、「桜」をキーワードとした活動です。

Daiwa Sakura Aidとは?

2015年3月発行 冊子「SUSTAINABLE JOURNEY」vol.2(ecomom春号同封)より転載
取材協力:レインフォレスト・アライアンス 堀内千恵子さん

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