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こてはし温水プールのサステナブルなエネルギー利用方法に密着
~清掃工場の余熱利用の仕組みとは~

2017.02.06

県内外から季節を問わず多くの利用者が訪れる、レジャー施設「こてはし温水プール」。

ここには、隣接した清掃工場で発生した余熱を温水プールの昇温や施設の冷暖房に活用する、サステナブルなエネルギーシステムが取り入れられています。その仕組みや利用状況、効果について、ご紹介します。

子どもから大人まで楽しめる人気のレジャー施設

千葉市花見川区にある「こてはし温水プール」は、1999年にオープン。ガラス張りの天井をもつ開放的な屋内には、25mプール、流水プール、ウォータースライダー、ジャクジーなど様々なプールがあるのが特徴です。夏季には屋外プールもオープン。利用料金はリーズナブルでリピーターが多く、スイミング教室なども盛んに行われています。

そして施設内には、スポーツ室やトレーニング室、多目的ホールや研修室もあるほか、老人福祉センターやデイサービスセンターを運営する「千葉市花見川いきいきプラザ」も併設しています。多様な活動に対応する施設として、季節を問わず、子どもからお年寄りまで、近隣をはじめ県外からも多くの利用者が訪れています。

エアロバイクやランニングマシンを備えるトレーニング室も併設

こてはし温水プール

住所:千葉県千葉市花見川区三角町750番地
電話:043-216-0090
プール使用料(2時間):一般/300円、65才以上(千葉市にお住まいの方)/240円、中・高校生/200円、小学生以下/100円

こてはし温水プール(外部サイト)

清掃工場の余熱を利用して電気・ガス料金約4,100万円を削減

この施設には、隣接する千葉市北清掃工場の余熱が使われています。温水プールの昇温のほか、施設全体の冷暖房、床暖房、給湯、照明などをまかなうことで、なんと年間で電気は約2,800万円、ガスは約1,300万円の削減効果があるのだとか。施設にどのように余熱が供給され、使われているのかを案内してもらいました。

温水プールなどに蒸気や電力を供給する千葉市北清掃工場

余熱利用システムの模式図

余熱利用システムの手順

  • 運び込まれたごみを、プラットホームと呼ばれる場所からごみピットへ投入
  • 7,200㎥という大容量のごみピットに貯められたごみは、巨大なクレーンで投入ホッパを通じて焼却炉へ
  • 焼却で発生した熱でボイラ内の水を温め、蒸気を発生させる
  • 発生した蒸気でタービンを回転させ発電し、発生した電気の一部は清掃工場で利用、一部は「こてはし温水プール」へ送電する
  • 蒸気も「こてはし温水プール」の熱交換器へ送り熱源として利用する

焼却炉の熱を蒸気に換えて無駄なく使うサステナブルなシステム

まずは千葉市北清掃工場の見学からです。千葉市では北清掃工場を含めた3つ(2017年2月6日掲載時点)の清掃工場で、年間で約25万トンものごみを焼却しているといいます。

ごみ収集車で運び込まれたごみはプラットホームからごみピットへ投入される

投入ホッパ ごみピット

ごみピットに貯められたごみは、巨大なクレーンで撹拌してから投入ホッパを通じて焼却炉に送られる

焼却炉内の温度は、800℃以上という高温に。焼却炉と接するようにボイラを設置し、蒸気というかたちで熱エネルギーを回収します。この蒸気が、「こてはし温水プール」に送られるわけです。

また、ボイラで発生した蒸気の一部は蒸気タービンに送られ、発電も行われています。発生した電気は工場内の電力をまかなうほか、プール施設にも供給されています。

電気をつくるしくみ

ボイラで発生した蒸気で電気をつくるしくみ

蒸気を清掃工場からプール施設に送るのは、地中に埋められた大きな配管です。「蒸気にはたくさんの熱エネルギーを蓄えられるので、蒸気というかたちで送れば温水に比較して利用効率が高いのです」と、設備の維持管理を担当する佐久本亮さんは説明してくれました。

余熱を利用するためには建物が隣接している必要はありませんが、配管で蒸気が送られるため、配管の距離は短いほど熱エネルギーの損失は少なく、高効率で利用できるとのこと。

プール施設側で受け取った蒸気の熱は、熱交換器で水を温めるのに使われる

プールの水は汚れを濾過しながら適温に管理されている

"余熱利用"でCO2排出量を抑制するサステナブルで親しみのある施設は
地域の人々の健康増進と地球温暖化の防止に寄与していました

ごみ処理施設から余熱を供給されることで、「こてはし温水プール」は電気と都市ガスの消費や、CO2排出量を抑えることができています。

「余熱の利用がまったくない場合、年間で約6,000万円に相当するエネルギーが使われます。しかし、清掃工場の余熱を利用することで、電気とガスを合わせて年間で約4,100万円の節約となる試算が出ました」と佐久本さんは説明します。地球温暖化を防止するだけでなく、節約にも役立っているのですね。

このように、「こてはし温水プール」はごみの処理で生まれる熱を賢く利用するサステナブルなエネルギーシステムによって、誰もが気軽に楽しめ、地域の人々からも長く愛される施設になっていました。

教えてくれた人

佐久本 亮さん

こてはし温水プール 維持管理責任者

「この施設が地域の健康促進に役立ち、未来のオリンピック選手を輩出するようなスポーツ振興のキッカケになれば嬉しいですね」

他にも、宮崎県延岡市の「ヘルストピア延岡」や、太陽エネルギーも併せて利用している愛媛県松山市の「アクアパレットまつやま」など、隣接するごみ処理施設の余熱を利用するプール施設は日本全国に数多く点在しています。

環境省でも、平成28年度に「廃棄物焼却施設の余熱等を利用した地域低炭素化モデル事業」に対する補助金を設定しています。余熱利用の用途は、今まで一般的だったプール・温浴施設・福祉施設などに留まらず、農業や漁業などその土地に合ったものへの拡大がもうすでに検討され始めているようです。

千葉市北清掃工場の仕組みを現す全体模型。中央付近が焼却炉で、隣接するボイラで熱エネルギーを回収する

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