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将来に希望を持てない若者が約4割! 日本のキャリア教育の役割とは?【後編】
~周囲のサポートで子どもたちのキャリアが花開く~

前編:なぜ今キャリア教育が必要!?

2017.08.31

前編では、日本の若者は諸外国に比べて「自分の将来に希望が持てない」また、その一因が日本のキャリア教育の遅れにあるのではないか、という点について述べました。

時代の移り変わりとともに、子どもたちの将来設計に大きな変化がもたらされている現代社会。「ディーセント・ワーク」(Decent work=働きがいのある人間らしい仕事)の実現のためにも、私たち大人が労働環境や社会保障などを整えることはもちろん、子どもたちが主体的にキャリア形成を考えて自らの職業観を育むための「キャリア教育」が必要です。

そしてキャリア教育を進めるにあたっては、自分らしい生き方を実現するための力を養うだけでなく、たとえ自身のキャリア形成がうまく進まなくとも、そのつど修正・改善しながら夢と希望を持って自分の生涯を歩んでいけるような社会づくりに努めることも重要になります。

激動の時代こそ、将来を見据えたキャリア教育が必要

小学1年生~高校3年生の親子約1万6千組を対象に行われた「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」によると、半数以上の保護者が「将来、子どもが自立できるか不安」と考えていることが分かりました。

Q お子様の教育について、次のことはどれくらいあてはまりますか。 「子どもが大人になったとき自立できるか不安である」

出典:「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%

中学1年生の男の子を持つ母親S.Iさん(東京都在住)は、「グローバル化でこれからますます積極性が求められる時代に、自己主張が苦手な息子がうまく社会に順応していけるのか心配に思っています」といいます。

また、小学生2人の父親O.Tさん(神奈川県在住)は、「子どもたちが大きくなる頃には人工知能の開発が進んで親世代には想像もつかない未来が待っていますし、依然として企業のリストラ、倒産などのリスクもあります。自分自身、子どもたちに自信を持って『こんな道もあるんだよ』と将来のビジョンを示すことができません」と語りました。

目標を持てる子に育てるには、周囲の環境づくりが重要

ベネッセ教育総合研究所と東京大学が共同で実施した調査(「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」)では、「将来の目標がはっきりしている」と答えた子どもの割合は約5割。

Q あなた自身のことについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか? 「将来の目標がはっきりしている」

出典:「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%

分析を担当したベネッセ教育総合研究所の橋本研究員によれば、子どもたちに大きな影響を及ぼしているのは、「疑問に思ったことを自分で深く調べる」ことや、自己肯定感、行動力、そして「父母がやりたいことを応援してくれる」かどうかであり、これらは中学、高校と進むにつれて影響力を増す傾向にありました。また、特に中高生では祖父母など「他者との会話量」が将来の目標設定をしているかどうかに影響しているといいます。

調査結果の分析から、学校の成績や保護者の学歴の影響は少なく、「父母がやりたいことを応援してくれる」「他者との会話量」などのように、周囲の環境づくりによってサポートできることも多そうです。学校はもちろんのこと、家庭、そして社会全体で、子どもたちが将来の目標を持てるようにサポートすることが重要だと考えられます。

Q この1年くらいの間に、あなたは次のようなことを経験しましたか。 「疑問に思ったことを自分で深く調べる」経験をした

出典:「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)

Q お父さんやお母さんについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか。 やりたいことを応援してくれる

出典:「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%

Q いろいろな人とのかかわりについて、次のようなことがどれくらいありますか。 祖父母と話をする

出典:「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所)「よくある」+「ときどきある」の%

キャリア教育を後押しし、サステナブル社会の担い手を育む

少子高齢化や環境問題など、さまざまな問題に直面する現代社会において、豊かでサステナブルな社会を実現するには未来の担い手である子どもや若者の育成が急務です。

大和ハウスグループでは、さまざまなステークホルダー(利害関係者)の意見に耳を傾け、社会の要請に応えることも企業の役割だと考えています。社会的課題を解決し、豊かで幸せな暮らしを次の世代に伝えるサステナブル社会の実現のために、さまざまな場で次世代教育を行っています。ここでは、大和ハウスグループが力を入れている「次世代育成プログラム」の一部をご紹介します。

仕事の体験を通じて「社会」や「働くこと」について考える

社会で活躍する大人との交流や仕事の体験を通じて、「働くこと」とはどういうことなのか、子どもたちが将来について考えるきっかけを提供します。

探求型キャリア教育プログラム

中高生が学校の教室において「企業内インターンシップ」を1年間行います。企業から出される社会課題×未来志向型の「ミッション」に対する考えを探求し、社会や経済、働くことの意義についての理解を深め、自律的な学習姿勢と豊かな創造性を育みます。

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