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シェアリングエコノミーとは?
〜押さえておきたい4つのポイント!〜
2018.03.20
【その1】シェアリングエコノミーとは?
シェアリングエコノミーとは、所有しているモノや場所・スキルなどをインターネット上のプラットフォームを介して、個人間でシェア(貸借・売買・提供)していく新しい経済の動きです。

シェアリングエコノミーが生まれた背景には、インターネットやスマートフォンといった技術の進歩と普及があります。つまり、テクノロジーの進化によって多くの人が位置情報や決済システムといったサービスを利用しやすくなり、個人間でのシェアが手軽にできるようになったのです。
海外では2008年頃から米国シリコンバレー発の「民泊仲介サービス」や「配車サービス」などを筆頭に普及が始まりました。その後、日本でも海外旅行先でシェアサービスを利用したユーザーの口コミが、SNSで広まるなどしてメディアでも話題を呼びました。
こうした流れの中で、若い世代を中心に「必要なときに必要なぶんをシェアしあう」ライフスタイルが支持を集めるようになったのです。
日本政府も地方創生や超少子高齢化社会における諸課題の解決に、シェアリングエコノミーが寄与すると期待を寄せ、シェアリングエコノミー推進を成長戦略の重点施策の1つに位置づけています。2016年11月にはシェアリングエコノミー検討会議でシェアリングエコノミー推進プログラムを策定。2017年1月には内閣官房IT総合戦略室内に「シェアリングエコノミー促進室」が設置されました。
2017年6月には、シェアリングエコノミー検討会議で示されたシェアリングエコノミー・モデルガイドラインに基づき、一般社団法人シェアリングエコノミー協会が自主ルールを策定し、その適合を認証審査する「シェアリングエコノミー認証制度」が開始されました。
さらに、同年秋にはシェアリングエコノミーで地域行政課題を解決する自治体を認定する「シェアリングシティ認定制度」、同様に地域課題の解決に取り組む民間企業・団体に対して「シェアリングシティ推進パートナー認定制度」もスタートしました。官民共同で健全なシェアリングエコノミーの発展に向けたさまざまな取り組みが進められています。
【その2】シェアリングエコノミーの市場規模は?
総務省の「平成28年版情報通信白書」によれば、全世界のシェアリングエコノミーの市場規模は、2013年には約150億ドル(約1兆7000億円)だったものが、2025年には約3350億ドル(約37兆円)にまで拡大すると予測されています(出典はPwC「The sharing economy - sizing the revenue opportunity」)。

日本国内の市場規模は、2016年度には約503億円。2021年度には約1071億円に達すると予想されています(出典は矢野経済研究所「シェアリングエコノミー(共有経済)国内市場規模推移と予測」2017年)。

【その3】シェアリングエコノミーには、どんなサービスがある?
シェアリングエコノミーのシェアサービスは、主に「空間」「モノ」「移動」「スキル」「お金」の5つのカテゴリーに分類されます(下の表参照)。サービスの形態はさまざまですが、ネット上でやりとりが完結するオンライン型、直接対面するオフライン型に分けられます。
また、個人間でサービスを享受し合うCtoCのモデル以外にも、企業が複数の個人にモノやサービスを提供するBtoCのモデルもシェアリングエコノミーに該当します。
シェアリングエコノミーの領域

【その4】最近、耳にする「シェアリングシティ」とシェアリングエコノミーの関係は?
シェアリングシティとは、シェアリングエコノミーのサービスを活用して、地域課題の解決に取り組む都市を指します。シェアリングエコノミー協会では2017年11月から、シェアリングシティ宣言を行った自治体で、一定条件を満たす自治体に対して「シェアリングシティ認定マーク」を無償で授与しています。2018年2月現在で15の自治体が認定都市となっています。

シェアリングシティ認定マーク
鹿児島県奄美市/滋賀県大津市/石川県加賀市/岩手県釜石市/長野県川上村/福井県鯖江市/
長崎県島原市/佐賀県多久市/千葉県千葉市/北海道天塩町/富山県南砺市/宮崎県日南市/
静岡県浜松市/秋田県湯沢市/埼玉県横瀬町
雇用不足による人口流出の課題を抱える佐賀県多久市では、2016年11月にシェアサービスを通じた就業機会の創出を目的として「佐賀県多久市ローカルシェアリングセンター」を開設しています。
同センターでは、インターネットを通して個人が企業などから仕事を請け負うクラウドワーカーを育成するためのプログラムが実施され、子育て中の主婦や70代のシニア層などが研修生として参加しています。修了生はクラウドソーシングサービスを通じて、自分の得意分野でスキルを発揮することを目指しています。
また、過疎化が進む北海道天塩町では、相乗りシェアサービスと連携して地域に暮らす人がドライバーとなり、地域間の移動を支え合う取り組みが2017年から始まっています。そのほかのシェアリングシティでも、公助から共助の地方創生を目指し、サステナブルな街づくりが進められています。


