2018/04/16
報道関係各位
大和ハウス工業株式会社
代表取締役社長 芳井 敬一
大阪市北区梅田3-3-5
■建設現場の働き方改革
「耐火被覆吹付ロボット」の開発および実証実験の実施 |
大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:芳井敬一)は、建設現場の働き方改革として、鉄骨の柱や梁をロックウール(※1)・モルタルで耐火被覆吹付(※2)するロボットを開発しました。
2018年4月16日・17日・18日の3日間、「ダイワロイネットホテル東京有明」の建設現場において当ロボットを使用した実証実験を行います。
※1.玄武岩、鉄炉スラグなどに石灰などを混合し、高温で溶解し生成される人造鉱物繊維のこと。
※2.鉄骨に耐火性能を持たせるために必要不可欠な工事。
大和ハウスグループでは、建設現場の働き方改革の一環として、技術者不足対策・労働環境改善のため、省力化や短工期化など生産性向上を図る新技術の開発に努めています。そのような中、大和ハウス工業と大和ハウスグループの株式会社フジタ(本社:東京都:渋谷区、社長:奥村洋治)は、建設現場の人手不足解消のために、外壁パネルを用いた無足場工法を共同開発し、2018年3月に実用化。また、職方の労働環境改善のために、2021年4月に4週8休(完全週休2日制)を目指し、2018年4月の着工物件より4週5休を実施します。 そしてこのたび、建設現場の働き方改革を、より積極展開するために「ダイワロイネットホテル東京有明」(2018年9月竣工予定)の建設現場に、当社が開発した「耐火被覆吹付ロボット」を導入し、実証実験を行うことになりました。 「耐火被覆吹付ロボット」は、産業用ロボットアームと走行台車、昇降台車を組み合わせたロボットです。通常、鉄骨の柱や梁をロックウール・モルタルで耐火被覆吹付するには3人の職方が必要ですが、当ロボットを使用することにより、職方を2人にすることができ、耐火被覆工事の工期も約20%削減することができます。 今後、深刻化する人手不足の解消に向けて、当ロボットをベースに塗装工事や危険な高所作業への応用など、各種ロボットアーム利用の検討を進めるとともに、BIM(※3)と連動させることにより、ロボットが作業を行うために必要なデータ入力項目を削減し、作業時間の短縮を目指します。 ※3.Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称で、コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューション。
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●開発背景 一般社団法人日本建設業連合会によると、2025年には建設技能労働者が、高齢化の進行や若年入職者の減少により、約128万人不足すると言われています。 また、当社の工事監督(N値:90)へのヒアリング調査によると、さまざまな職方による建設工事の中で、鉄筋の運搬や耐火被覆吹付工事の人数が最も逼迫しているという結果が出ました。 そこで当社では、建設現場の人手不足解消および職方の負担軽減のために、2017年5月から鉄骨の耐火被覆吹付について自動化の開発に着手しました。そしてこのたび、産業用ロボットアームと走行台車、昇降台車を組み合わせたロボット「耐火被覆吹付ロボット」を完成しました。 |
●ポイント:職方3人が必要な耐火被覆吹付作業について、2人での作業を実現 一般的に、ロックウール・モルタルで耐火被覆吹付作業を行うためには、職方3人(プラント操作・材料供給・清掃等1人、コテ押さえ・検査・清掃等1人、吹き手1人)を要しますが、当社が開発した「耐火被覆吹付ロボット」を導入することで、ロックウール・モルタルの吹き手は当ロボットが行うため、職方2人(プラント操作・材料供給・清掃等1人、ロボット操作・コテ押さえ・検査1人)での作業を実現しました。 また、作業品質においても、当ロボットを導入することで、熟練工レベルの品質を一定で確保できます。あわせて、生産性においても、人が作業する2倍以上のスピードで吹付作業することができるため、耐火被覆吹付作業全体に要する時間を20%削減することができます。(※4)
※4.人による作業では150~160㎡/日の作業量が通常ですが、ロボットによる耐火被覆吹付作業では200㎡/日以上の施工スピードを実現します。人が休憩するような時間にも動作させることでさらに作業量のアップを見込んでいます。
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●「耐火被覆吹付ロボット」概要
「耐火被覆吹付ロボット」によるロックウール・モルタル吹付作業 |
以上