対談 【第3回】長寿社会における生きがいのあるまちづくり

千葉県柏市豊四季台は、全国で最も高齢化が進んだ団地の一つだ。東京大学高齢社会総合研究機構(IOG※)は、ここでジェロントロジー(老年学)の観点から、高齢者の生きがい向上や就労支援・在宅医療を含めた地域包括ケアシステムの構築など長寿社会に対応したまちづくりを手掛けている。大和ハウス工業からの出向者を含む、IOGの研究者ら5人に「長寿社会における生きがいのあるまちづくり」を中心に話しあっていただいた。(司会:オルタナ代表取締役編集長 森 摂)

※英語名Institute of gerontologyの略

2013年10月4日

秋山 弘子(あきやま・ひろこ)
東京大学高齢社会総合研究機構 特任教授

イリノイ大学で博士号(心理学)取得後、米国国立老化研究機構フェロー、ミシガン大学社会科学総合研究所研究教授、東京大学大学院人文社会系研究科教授(社会心理学)などを経て現職。専門はジェロントロジー(老年学)。高齢者の心身の健康や経済、人間関係の加齢に伴う変化を20年にわたる全国調査で追跡研究。近年は超高齢社会のニーズに対応するまちづくりにも取り組む。

木村 清一(きむら・せいいち)
東京大学高齢社会総合研究機構 学術支援専門職員(柏市職員出身)

1974年柏市採用。健康推進課長、高齢者支援課長などを経て、2008年保健福祉部長。2011年3月に柏市を退職後、4月から現職。柏市豊四季台地域プロジェクトでは地方行政の経験を生かして、連携コーディネーターとしての役割を果たしている。現在、居住地において町会長を務め、高齢者を対象とした定期的な交流サロンを始めるなど新たな活動も行っている。

佐藤 祥彦(さとう・よしひこ)
東京大学高齢社会総合研究機構 特任研究員(UR都市機構から出向)

UR都市機構に所属し、まちづくりやUR賃貸住宅の電気設備設計に関する業務を担当。2012年6月UR都市機構より出向で現職に就く。柏市豊四季台地域プロジェクトの「生きがい就労事業」では、豊四季台団地内のアグリキューブ設置と、その後の管理運営業務を担当。その他「生きがい就労」を実現するため、高齢者と仕事のマッチング方法の仕組みづくりを行っている。

廣瀬 雄一(ひろせ・ゆういち)
東京大学高齢社会総合研究機構 特任研究員(大和ハウス工業から出向)

大和ハウス工業にて小規模店舗や介護施設等に用いる工業化建築の商品開発に従事した後、産学連携を推進する業務を経て、2009年7月より出向で現職に就く。柏市豊四季台地域プロジェクトでは、身体や同居家族の状況に応じて、適切に住み替えながら住み慣れた地域内で住み続ける「地域循環居住」構想実現のために活動。住み替え意向や住まい方などの基礎調査を行っている。

井上 繁人(いのうえ・しげと)
大和ハウス工業株式会社
総合技術研究所先端技術研究グループ 主任研究員

2001年大和ハウス工業入社。総合技術研究所へ配属。環境負荷低減に向けた研究開発業務に従事し、再生材を活用した住宅建築部材の開発に携わる。その後、大和ハウスグループが掲げる「農業の工業化」に着手。その中の1つとして、植物工場に関する研究開発グループを立上げ、植物栽培ユニット「agri-cube」を開発、商品化に至る。

※敬称略

高齢社会総合研究機構(IOG)とは

2009年4月東京大学の恒常組織として、総長室総括委員会の下に設置され、学部を横断して研究者が関わり活動する組織。超高齢社会における課題をジェロントロジー(老年学)を核に、科学的アプローチから解決することを目指している。

Contents

森 摂(もり せつ) 司会 / ファシリテーター

「オルタナ」編集長。大阪府出身。東京外国語大学スペイン語学科卒業。日本経済新聞社入社後、ロサンゼルス支局長を経て2002年に退社し、NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス設立。2006年、株式会社オルタナ設立、2007年「オルタナ」創刊、編集長に就任。

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