対談 【第1回】サステナビリティを考える

世の中に必要とされる企業を目指せ。だから環境エネルギー事業部を作った(樋口)

樋口 当社の創業者は、「何をやったら儲かるかという発想で事業をするな」とよく言っていました。「その事業が、またはその事業が生み出す商品が世の中の多くの人々の役に立ち、喜んでもらえるかどうかで考えろ」と教えてくれました。「サステナビリティ」とか「環境」という言葉は使っていませんが、根本の考えは同じでしょう。
私は、事業を行う際「お客様にとって良くて、従業員にとって良くて、会社にとって良くて、株主様にとって良くて、社会にとって良くて、そして将来にわたって良いか。その6つの判断基準全部に○が付けられたら、稟議書は後になってもいいから決断しなさい。そうしないとスピードがなくなるぞ!」と教えているんです。

 スピード感ですね。おそらく枝廣さんの先ほどの言葉は「環境やCSRの分野でもトップランナーでいて欲しい」という期待感からだと思います。環境やCSRでもトップランナーでいることが、その企業の価値を高めることにつながるのです。

樋口 それは世の中に必要とされる企業を目指せ、ということですね。私が環境エネルギー事業部をつくったのはまさしくその思いがあったからです。確か2009年に鳩山首相(当時)が国連でCO2排出25%削減の宣言をする直前のことでした。当社の歴史を振り返ると、創業期の商品はパイプハウス。その次は1959年のミゼットハウス。ミゼットハウスを作るきっかけになったのは、その当時、当社の創業者が釣りをしていて夕方になっても小学生たちが帰らないので、「帰って勉強せんかい」と言った。すると「僕ら帰っても勉強する場所も部屋もない」と言うので、この子らに勉強できる部屋をなんとか提供してあげたいと3時間で建つ勉強部屋を商品化したわけです。

枝廣 近年言われる「CSR」の根本をまさに体現されたお話ですね。子どもたちとの会話から社会的ニーズを捉え、自社でできることを考えて、商品にする。それは社会が求めているものだったから売れたという話だと思います。

発売当初のミゼットハウス(現在は販売しておりません)

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