対談 【第1回】サステナビリティを考える

今後はさらなる「ソフト面でのイノベーション」が必要(枝廣)

枝廣 これまで日本の企業はイノベーションにしても、ハード志向が強いと思うんです。でもこれからはモノ自体を出来るだけ使わないようにするとか、出来るだけ排出物を出さないようにするなどの技術開発がとても大事になると思います。
樋口会長が言われたように、日本はこれから人口減少の時代です。その一方で世帯数は増えます。そうするとどんなにモノの効率、例えば省エネ効率が良くなったとしても、世帯数が増え続けていると結局、エネルギー消費もCO2排出も増えてしまいます。
今後はさらなる「ソフト面でのイノベーション」が必要になってきます。例えばシェアハウスです。みんながまとまって住むことで消費や排出を大きく減らすというような。こういうソフト面の暮らし方や、街づくりが大事です。
「アスフカケツノ」はそれぞれとても大事ですが、それらを総合した時に、どういう社会や地域を目指すのか。これらを繋ぎ合わせてソフトな面をたくさん入れていく。常にそういうことをお考えだと思いますが。

樋口 その分野ではスマートハウスやスマートシティを考えています。当社が埼玉県で進めた「越谷レイクタウン美環の杜」の開発では、東大の先生と打合せをしながら、人工の調整池を利用し、風の向き・流れをコントロールして家の配置を設計し、電柱も無くした。その結果、そうした自然と調和した街づくりが評価され「地球環境大賞」をいただきました。
ただ、当社も全ての街でこうした取り組みができているわけではない。無電柱化にしても一企業だけで推進するには限界がある。法の規制など、やはり国のリーダーシップがないと難しいと考えています。

枝廣 私が好きな事例はスペインの例です。スペインは太陽光発電だけじゃなくて太陽熱利用がすごくて、いまスペインの法律で新築の住宅には太陽熱給湯器をつけないといけない。

樋口 法律で決めるんでしょうか。

枝廣 最初から法律があったわけでなく、最初はバルセロナ市が始めたのです。それがすごく良いということで他の地域にも広がり、70の自治体が始めた時に、国が全国の法律にしたそうです。国がリーダーシップをとったというよりも、地域がみんなやっているので、後追い型で法律にしたということです。

 国主導の取り組みではなく、各地域で取り組みが進んだ結果ですね。

枝廣 そうです。環境制度にしてもエネルギーゼロの住宅にしても、事例を作っていくと、それが欲しいという生活者が増える。そういった動きが広まると、後追い型で国は法律を作ると思います。その意味で、大和ハウスさんにも業界のトップランナーとして頑張って頂きたいです。

レイクタウン美環の杜

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